理学研究科の関口仁子先生が、平成26年「第2回 湯浅年子賞」銀賞を受賞されました。
平成26年度「第2回 湯浅年子賞」選考結果報告ホームページ
湯浅年子賞「銀賞」 関口仁子 氏(東北大学大学院理学研究科 准教授)
業績「原子核物理学における3体核力に関する実験的研究」
湯浅年子博士は、かつて核子が3つ集まって相互作用する「3体核力」を、少数核子の散乱を用いて実験的に見出そうと試みたが、当時の技術では不可能であった。
関口氏は、中間エネルギー領域(140〜270MeV)において、理研や阪大にある最新の実験装置を用いて、偏極した重陽子と陽子の弾性散乱実験を行い、微分断面積と偏極量を極めて高い精度で系統的に測定した。
その結果と厳密な理論計算との比較から、これまで明らかでなかった3体核力の顕著な寄与を示すことに世界で初めて成功した。この成果は、3体核力の理論的取り扱い、中性子過剰核および中性子星等の高密度核物質の状態方程式の研究に大きなインパクトを与えた。
このように、氏の研究業績は著しく顕著であり、将来原子核実験分野において国際的に活躍する期待を抱かせるものである。