【日 時】 2017年11月16日(木)16:00-17:00 【会 場】 片平北門会館 2階 エスパス(片平キャンパス) 【対 象】 本学研究者(教授、准教授、助教、助手、博士研究員、大学院生など)、その他教職員 【ポスター】 詳細は、こちら(PDF)から




文部科学省 科学技術人材育成費補助事業
ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)
「杜の都女性研究者エンパワーメント推進事業(H28~H33)」
本セミナーでは現在上位職にある研究者と上位職を目指す研究者を対象とし、各界で活躍する女性リーダーを講師に招いて女性リーダーのありかたや必要とされるスキル、上司として仕事を行う中で部下を育てるために大切にしていることなどをお話しいただき、女性研究者の意欲向上と活性化を図るものです。第1回目となる今回は、日本たばこ産業(JT)株式会社・執行役員(CSR 担当)の永田亮子氏を講師としてお招きし「Lead yourself! 自分らしく輝き続けるために」と題してご講演いただきました。
男女雇用機会均等法の施行まもなく就職した永田氏は、会社で何をするにも「女性初」。女性のロールモデルがいなかったことはマイナスではなく、むしろその方が自分らしく、型にはめられることなく働くことができると思ったといいます。チームリーダーや部長としてステップアップし、自分よりも年上の男性の部下も多くマネジメントするようになって、うまく関係を構築できずに悩んだり落ち込んだりした時期もあったそうですが、一対一の対話を重視していくことで味方が増え、それに伴ってチームの業績も上がっていきました。40代前半という非常に早い段階で執行役員に就任したことでキラキラしたキャリアを歩んできたと思われがちだけれども、実際はアップダウンの激しいものであったそうです。そうしたことを通じて、仕事には「正解」というものはなく「正解」を作っていくプロセスをしっかり積み上げていくことが重要であるといいます。また「身近にロールモデルがいない」としても、どこから・誰からでも学ぶことはあり、いかに「いいとこどり」してロールモデルとして活用していくかが重要であると、スポーツの世界などを例に挙げて示されました。
講演の最後に永田氏はリーダーの条件として「能力」「勇気」「倫理観」を挙げ、さらに「縦横に加えて斜めのネットワークを大切にする」「女性は真面目ですべてを完璧にこなそうとしがちだが、人の力を借りられる部分は借りる」「やりたいことをやるためにポジションは積極的に取りに行く(ただし取り損ねても死にはしないので気楽に)」「『ありのまま』の自分と『なりたい』自分の両方を大好きでいる」ということを、これからはばたく女性研究者へのメッセージとして述べられました。
セミナーには男女問わず、上位職・管理職から大学院生まで幅広い世代の方27名にご参加いただき、講演後には活発な質疑応答も行われました。
参加者の声
- ご自身の経験の流れの中で様々な参考になる考え方を知れてとてもよかったです。部下である立場から上司に必要な能力等を伝えるにはどうしたらいいかも気になりました。
- 性差は多様性の観点でとらえるべきとの意見に共感しました。役職を持つことも、夢を実現したいと願うときに得られるステップだと思う。
- 俯瞰で物を見ることの大切さや、誰からでも何からでも学べるというお話がとても身にしみました。心を開放して受け止めるということも大切なのだと思いました。
- 男女共同参画としての視点以外にもとても参考になることが多い講演でした。仕事の中で人間として成長していくことの大切さが伝わってきて考えさせられた。