センター長 令和2年度初頭挨拶

次のステージへの飛躍

仙台はこの春、ちょうど年度の変わり目が桜の開花に重なりました。

東北大学は1913年に日本で初めて女性の入学を認めた大学ですが、今年、本学では初めて女性の理事が2名、誕生しました。

お一人は数学がご専門で、本学の高等材料研究所(AIMR)の所長や理化学研究所の理事を務められ、現在も内閣府総合科学技術イノベーション会議の非常勤議員を続けられている小谷元子先生です。研究担当の理事にご就任されました。

もうお一人は、非常勤でデータ戦略・社会共創ご担当の土井美和子様です。土井様は㈱東芝で研究開発センター首席技監を務められた後、情報通信研究機構の監事や、奈良先端科学技術大学院大学の理事等も兼任されています。

組織の意思決定機関に女性が参画することは、ダイバーシティ環境の実現やにおいて大きな意味がありますが、上記お二人の女性理事の誕生は、単に共同参画推進という側面以上に、本学の研究力強化、国際化促進、データ戦略推進等の上で非常に大きな意義があると考えられます。

2010年から2020年の間に、本学の博士課程大学院生に占める女性の割合は、24.7%から30.7%に、女性教員(助手以上)は10.3%から16.9%に増加しました。この比(「ガラスの天井指数」と名付けています)を取ると、0.25から0.5に改善しています。つまり単純化して言えば、4人に1人がアカデミアに生き残った時代が、2人に1人になったのです。一方、男性では博士院生と教員の比は1以上です。これは現在でもほぼすべての部局において、アカデミアに生き残ることには、男女で大きな隔たりがあることを示しています。

東北大学は先月、Times Higher Education 2020年日本版では第一位という評価を受けたところですが、設立当時から「社会とともにある大学」として、その役割を果たしてきました。現在、国連が提唱しているSustainable Development Goals (SDGs)や、我が国が推進しようとしている「Society 5.0」では、多様なステークホルダーの、より良い生活が目指されています。新型コロナウイルスの世界的な蔓延のような前例の無い環境に置かれたときこそ、私たち一人ひとりが、今、どのように社会に貢献できるかを考えていきましょう!

令和2年4月
東北大学男女共同参画推進センター長
大隅 典子

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